こんばんは、元町に行くとパン屋さんに入ってしまう なおです。
神奈川近代文学館で中島敦が南洋から家族へ送った手紙をテーマとした展示をしていると聞いて駆けつけてきました。めちゃくちゃ満喫しました。満足した帰り道、お隣の大佛二郎記念館で野尻抱影先生の企画展があると知り、慌てて飛び込んできました。なぜ慌てたかというと、この企画は明日2025年8月31日までだったからです。ギリギリセーフでした!


以前のオンプラで野尻先生と山口誓子さんの『星戀』について解説させていただきました。
野尻先生は文学部出身で数々の本の翻訳も手がけた方ですが、星にもとても情熱を注いでいて、「星の文人」の異名を取ります。不肖なおも文学部出身者の末席にいるので、星界隈でも名高い先生はまさに憧れなのです。
先生の功績として有名なものトップツーとして、星の和名を蒐集したこと、当時発見されたばかりの当時の惑星「Pluto」を「冥王星」と日本名を名付けたことがありますね。
今回冥王星はあまり主軸を置かれていなかったようですが、和名の話はてんこ盛りでした。

「四三(しそう)の星」や「碇(いかり)星」など、オンプラでも取り上げた星を素敵なイラストで紹介されていたり、先生が蒐集した際に記録していたスクラップブック(というより大きな本みたいでした!)なども展示されていて、テンションはマックスです。「これがあの…!」と震えてしまいました。スクラップブックは本当に細かい字でびっしり書いてあって、先生の情熱を窺わせます。
他にも先生が星好きになったきっかけであるしし座流星群についてや、オリオンの三つ星との出会いなど、キラキラした逸話が星空の写真と一緒に紹介されているブースなどもあり、本当に良き企画展です。






企画展の最後を飾るのは、先生が愛用していた望遠鏡「ロングトム」です。先生ご自慢だったトムは、今も星を見上げていました。ブースにはトムで見た月の写真も掲載されていて、実際にトムで天体観察するわけにはいけませんが(恐れ多い!)、覗いた気分になれて嬉しかったです。
それでも肉眼で星を見ることを大切にしていた先生。今夜も半月や夏の大三角が輝く帰り道で、先生が眠るベラトリクスの季節を待ち遠しく思いました。
もうラストデイが迫りますが、もし間に合う方がいましたら、ぜひ横浜へ!
