こんばんは、銀河鉄道を南下する旅に行ってきた なおです。
私には死ぬまでに絶対見たいものが2つあって、そのうちの1つである南十字星を見に、2026年3月の新月前に、オーストラリアに行ってきました。星を見るための5泊6日、ひとり旅。出たとこ勝負ですったもんだ、方々に迷惑をかけたり情けをいただいたりしては、空を見上げ、星を見つけ、とても満ち足りた素晴らしい旅となりました。
今回は、そんな旅路を振り返っていきたいと思います。私のブログとしては長くなるかと思いますが、暫くお供をしていただき、少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
Day 1 13-Mar-26
目的地は西オーストラリア州の州都パース。インド洋に面し、オーストラリアの南の方に位置しています。パースにした理由は晴れの日が多いこと、行ける範囲に砂漠があって星空観光があることから決めました。星が目的の旅なので、周遊ではなくパースに籠城(?)です。パースには成田から直行便があるので、移動も楽ちん。
数年ぶりの海外で、初めてのETAS(電子入国許可)の取得に戸惑ったり、パスポートを忘れないか不安になったりしながら、でもこれから何が始まるのか、どんな旅になるのかのドキドキを胸に、いざ出発です。



ホテルに到着したのは現地時間(パースは日本のマイナス1時間)の21時半ごろ。ゆっくり休みつつ次の日の予定をどうしようか悩み、パース天文台のサイトを何気なく開いたところ、なんと翌日のNight Sky Toursに空きが!
パース天文台は、日中はオープン時間であればいつでも見学可能(多分)ですが、夜の星空観察可能なツアーには定員があり、2ヶ月前には予約がいっぱいになってしまうのです。パース行きを決めたのが割と直近で、天文台の情報を見つけたときにはもう空きがなかったのですが、どなたかキャンセルされたようで運よく直前に予約できました。夜でしたがこの日もツアーがある日だったからか即時予約完了とツアーの詳細が書かれたメールが届き、一人ホテルの部屋でテンションが爆上がりです。多分叫んでいました。ちょっとの不安材料とウッキウキな気分でベッドに就寝しました。
Day 2 14-3-26
ゆっくり休んで翌日、早速パース天文台に関する情報収集に取り掛かりました。勢いで予約したは良いものの、パース天文台の欠点は、そこまでの公共交通機関がないこと(これが先の「ちょっとの不安材料」、考えてみると全然ちょっとじゃない…)。予約時のメールでも自家用車かレンタカー推奨と書かれていました。昨日初めてオーストラリアに来て天文台行きをその場で決めた身としては、当然そんなものありません。しかも私のスマホでUberのアプリが使えない…。とりあえずパース駅にあるビジターインフォメーションセンターに聞くと、電車とパスでの行き方を教えてもらえたので、行けるところまで行ってみることに。

途中で寄った町でお昼ご飯を食べたり素敵なアンティークショップで買い物したりと優雅な昼下がりを過ごしたりしていましたが、指定のバス停から天文台まではアプリのマップ情報で6kmちょっと、徒歩2時間強。タクシーは見当たらない(多分車社会で利用者が少ないんだろうな)。午後の日差しの中、もう歩くしか選択肢が残されていないので、覚悟を決めて歩き出すことに。待ってろよ、天文台!







ようやく着いたパース天文台。集合時間19時半に対して18時45分くらいに到着する(日暮れ前に辿り着きたかったので…)という外国人にビビったのか感心したのか、外で待つ私に職員の方が声をかけてくれました。最初は集合時間はもっと後だが大丈夫なのかと聞かれ、問題ないと回答し、その場では1回別れました。その後不憫に思われたのか、時間より少し早いけど館内に入って見て良いと言ってもらえたので、19時すぎに入場させていただくことに。更には一人で来ている外国人ということで帰り方も心配してくれ、Uberが使えないからタクシーを呼んでもらえないかと相談したところ、自分もパース市街地に帰るから送って行くよと申し出てくれました。本当にありがたい…!息子さんが現在東京にいらっしゃるらしく、ご自身も来月日本観光に行くということで、おそらく親近感も持ってもらったようですが、感謝しかないです。心置きなく天文台とその星空を楽しむことができます。
(本当に当てずっぽうで行き当たりばったりで行った私が言うのも何ですが、職員さんの善意を当てにして天文台まで行くのはお勧めしません。やっぱり事前にきちんと計画を立てて自分で足を用意するのが良いと思います。行きの道中どうなるかそれはそれは不安でしたし、送ってもらえるとなってもやっぱり心苦しさはありましたし、彼らにそうする義務はありませんから)。
ミュージアムでは天文台で撮影された天文写真や西オーストラリアの天文学の流れ、アボリジニに伝わる星の物語などが紹介されていました。神話については、また別の機会にお話ししたいと思います。
じっくりガッツリ堪能するうちに他のお客さんも集まり(多分全員で40人くらい?)、20時ちょうど、ツアー開始です。
ノリがよく格好もいい女性館長さんによる号令で観測台まで向かいました。林を抜けて少し小高い場所にあるそこで、開けた空に目をやると、そこに何の前触れもなく南十字星がかかっていました。何の気なしに見上げたそこにあったので、何だかちょっと拍子抜けして、でもびっくりして、「本当にあるんだ」と思いました。
ここでは7人くらいの小グループに分かれて、いくつも設置された望遠鏡であらかじめ入れられたそれぞれの天体を見ていきました。私たちεグループはまず最初に木星、それからオリオン星雲、イータカリーナ星雲、みなみじゅうじ座の宝石箱、マゼランのタランチュラ星雲、オメガ星団を順々に巡っていきました。後半は南半球の醍醐味ですね。
それぞれの望遠鏡に付いている天文台の職員さん方はどの方も星が好きらしく、代わる代わるやってくるツアー客にずっと星の案内をしてくれています。私はそこまで英語に堪能でも無いので、オンプラで培った知識を元にこういうことを言っているんだろうなと食いついていったのですが、拙い英語リスニング力でも彼らの「星、とても素晴らしいよ!」というメッセージは熱いくらい伝わってきました。皆さん、本当に好きなんだろうな。お客さんも質問をしたりして、和気藹々として、とても良い雰囲気の観望会でした。




その間もちょこちょこ隙間を見ては肉眼や持参の双眼鏡で南十字星を眺めて、「そうか、こういうものなのか」と何となく見慣れないものに対する距離感を図るようにしていました。
旅に出る前、南十字星を見たら自分はどう感じるんだろうと思っていましたが、意外とあっさりしていました。自分で言うのもなんですが、もっとこう、涙と感動の対面になるかなと思っていましたが。そんなもんか。
いや、感動したは感動していましたよ!これを見に南半球まで来ましたから。大はしゃぎして、飽きもせずに眺めてはいました。でもやっぱり「そうか、これが南十字星」と言う感じです。
そうこうしていたらあっという間にツアーの2時間が経過し、お開き。
帰りは先に申し出てくれた職員さんの車(スバルだった!)でパース駅まで送ってもらいました。
車の中で、なぜオーストラリアに来たのか、東京での話などをしましたが、印象深かったのは1番好きな星のこと。その星の名前は聞き取れなかったのですが、その星は3重星で、1番暗い星は殆ど見えず、最初は2重星だと思われていたそう。見えないけど、でも確かに存在する。1番好きな星は?と聞いた時、どれが好きか悩みながらも答えてくれた彼は、見えないけど確かに存在するものがあることを星は教えてくれると言っていました。とても大切な話だと思いました。
このブログを書き始めた3月20日は日本では春分の日ですが、パース天文台のある南半球では秋分の日が来たとFacebookのお知らせが届きました。地球の反対側で、これから秋になる街。これから1日1日と夜が長くなっていって、その分星空を長く眺められるようになるんでしょうか。
素敵なNight Skyを案内してくれた天文台と天文台の皆さま、本当にありがとうございました。皆んなが歓迎してくれて、南十字星デビューをあの地で迎えられて、本当に良かったと温かい気持ちになります。今夜もあの夜空の星たちが、キラキラと輝いていますように。

「明日」は、Fremantleという海に面したエリアに行きます。どうぞご一緒ください。

