【天文イベント】「星の美しさを伝えた天体望遠鏡たち」ニコンミュージアム企画展が8月28日まで開催【展示品紹介・その2】

 東京都品川区にある「ニコンミュージアム」では、2021年3月2日から8月28日まで、ニコンミュージアム企画展「星の美しさを伝えた天体望遠鏡たち」が開催されています。新型コロナウイルス感染症対策のため4月27日から臨時休業していましたが、6月8日から再開されました。

 今回は「その2」と題して、前回ご紹介できなかった展示されている天体望遠鏡と、常設展示されているカメラなどをご紹介します。

20cm赤道儀

 ニコン初の本格的な屈折天体望遠鏡として開発されました。当時、国産としては最大口径と、最高の性能を目指して開発された望遠鏡で、1931年に東京科学博物館(現在の国立科学博物館)に納品されました。

 この天体望遠鏡は、公開天体天体望遠鏡として、2005年に引退するまで70年近く多くの方々に、宇宙や星空の楽しさを伝えるために活躍しました。

 現在でも、国立博物館の地球館地下3階に「宇宙を探る」コーナーで、歴史的望遠鏡として、子どもたちに宇宙や星空に触れる楽しみを伝えてくれています。

あらい
あらい

展示スペースには、国立科学博物館理化学研究部長や天文博物館五藤プラネタリウム館長などを歴任された、村山定男氏が、20㎝でスケッチした火星の様子や、国立科学博物館にて40年近く太陽黒点観測をされた小山ヒサ子氏の太陽黒点スケッチなども展示されています。

8㎝屈折天体望遠鏡

 8㎝屈折天体望遠鏡は、口径8㎝、焦点距離1200㎜、F15という倍率の出しやすい焦点距離の長い天体望遠鏡です。天文ファンや学校などで使用されることを想定した小型天体望遠鏡で、高倍率時に天体を導入しやすいように架台の赤道儀には、赤経赤緯軸ともに全周微動装置がつけられています。

 また、2名同時に観測できるように「指導用接眼アタッチメント」というオプションも発売されていました。

フィッシュアイ・ニッコール投影式天球儀

 天球儀とは、中心に地球(私たち)がいると想定した球体の表面に、星々を表示したもで、星の位置や動きなどを学習するために使われるものです。

 今回の展示では、ニコンの360度全周撮影レンズ「フィッシュアイ・ニッコール」を用いた投影式天球儀が投影展示されています。

想いのこもった実物を是非見てください

 今回展示されている天体望遠鏡は、現在使われている方も少なくなってきている天体望遠鏡ばかりです。展示品ではありますが、実物を見ることができる数少ない機会ですので、チャンスがあったら是非見て頂きたいと思います。

 それぞれの天体望遠鏡に特徴があり、それは当時の設計担当や商品企画の方々が、その天体望遠鏡を使う人の事を想いながら、企画をして、設計をした結果だと思います。そんな想いが展示品から皆様に伝わると嬉しいです。

 ニコンミュージアムでは、今回ご紹介した「特別展示」以外にも、常設展示として、様々なカメラや光学機器が展示されています。 次回は常設展示品からいくつかご紹介します。

施設概要

  • 施設名 ・ニコンミュージアム
  • 開館時間・10:00~17:00(最終入館は16:30まで)
  • 休館日 ・月曜日、日曜日、祝日、同館の定める日
  • 入館料 ・無料
  • 所在地 ・東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟2階
  • 公式サイト:https://www.nikon.co.jp/corporate/museum/